記事一覧

ウィーンフィルの

コンマス、ライナー・ホーネックが率いる弦楽四重奏(何故かチェロでなくコントラバス)が大阪の中央公会堂でコンサートをやるというので先日、行ってきました。5000円。安すぎw
さて中央公会堂とは、大阪の中心部にある、大阪にしては珍しい歴史的な建造物で、その昔の偉い人(名前は忘れました)が100万円を寄付してそれをもとに建設された、まぁ明治期の綺麗な建物です。当然ながらそんな所に行く訳ですから、もちろん我がX4(デジカメ)を持っていった次第です。
で、当日それだけではもったいないので、コンサートが始まる前に大阪のビルでも撮ろうかと、スカイビルに行ってきました。

アップロードファイル 613-1.jpg

これぞ超広角。こういう絵が撮りたかった。やってくれるぜX4
ビルの周辺はちょうどドイツ祭りだか何かで、ドイツ風な露天が並び、その中央には写真にあるような、よく分からない電飾を施された木が立ってました。あと赤と白の民族衣装?を着た人がたくさん。
ドイツではこういう風習があるんでしょうか??心なしか周囲がカップルだらけだった気がしますが、まぁなんだ気のせいだろう。

さて、よく分からない場所を離れ目的の中央公会堂に向かいます。

その途中

アップロードファイル 613-2.jpg

ここでも電飾が施されています。一体何のイベントなんでしょう?これだけCO2削減が叫ばれる昨今、たとえLEDだったとしてもここまで電飾を使うのは戴けませんね。どこに抗議したらいいんだろう。ジャロ?

まぁいいや、ようやくお目当ての中央公会堂に到着です。

アップロードファイル 613-3.jpg

照明を浴びたレンガ造りの建物が美しいですね。

ちなみに内部は

アップロードファイル 613-4.jpg

こんな感じ。大正浪漫(明治だ)
で、割り当てられた席ですが、最前席左翼でした。席からの眺めは

アップロードファイル 613-5.jpg

こんな感じ。近すぎw

さて、余興は終わりです。コンサートが始まりました。
1曲目は、フィガロの結婚から序曲。

もう、何と言うか。最初の1音で参りました。なんであんな音が出せるんでしょう?
流石ウィーンフィル。音の艶が尋常じゃない。私は一瞬、集音してエフェクトかけてスピーカーから出してるのかと疑ったほどです。
もちろん、マイクはありませんし、私の真ん前にあるスピーカーは沈黙したままです。完全に生の音。ホーネックのストラディバリウスその物の音です。
音の問題もさることながら、ウィーンフィルが奏でるモーツァルトですから、そりゃもう絶品。ベッドを置く寸法を測るフィガロが幻視できるレベル。
その後フィガロより数曲、ランナー、シューベルト、ブラームスのハンガリー舞曲と続いて1部終了。
2部の1曲目は、シュトラウスのオペレッタ「こうもり」序曲。
これも素晴らしかった。実に素晴らしかった。シュトラウスを弾かせたらウィーンフィルは世界一。
更にそこからは、シュトラウス一家のワルツ集です。
もうね、私は完全におなかいっぱいですよ。ウィーンフィルのメンバーが奏でる、シュトラウスのワルツを生で聴けたわけですからそりゃもう、その価値は、F1を生で見るのと同じかそれ以上です。

てか、大編成のオケによる交響曲も当然素晴らしいですが、こういう小編成による小曲集もいいですね。なんせ距離感が違います。非常に近い。
メンバーの息遣いが伝わりますし、音楽を作っている実感が非常にあります。会場との一体感が素晴らしい。

そういう空気があったからか、アンコールは4曲にも及びました。

で、アンコールの最後の曲。これは、もしかしたら予定に無かったものかもしれません。楽譜も持ってなかったし。

最後の曲。それは、ラデツキー行進曲でした。
これには会場大盛り上がり。もちろん、わざわざこんなコンサートに来る連中ですから、よく訓練されたクラオタが多数を占めます。
よく訓練されたクラオタなら、ウィーンフィルが奏でるラデツキーが流れて、これをやらないわけがない。

この手拍子。たぶん、クラシック音楽で唯一、観客が演奏中に手拍子する曲。

いやもう、この瞬間、間違いなく中央公会堂大集会室は、学友協会大ホールでした。
素晴らしい、本当に素晴らしい。まさかあれをできる日がやってこようとは。

というわけで、本当に大変大満足なコンサートでした。

欲を言えば、ラデツキーの前に、青くも美しくも無いドナウをやってくれれば更に最高だったんですが
まぁそれは本家に譲りましょう。これ以上言ったらバチが当たる。
何せ、あのコンサートに集った人は、世界で一番早くウィーンフィルとニューイヤーコンサートを楽しんだのですから。

……

………ニューイヤーコンサート??

……え?

…もう12月?

…だとすると、あの電飾はもしや、クリスm……

ディアゴッスティーニ♪

のCMでお馴染みの、創刊号だけやたら安い隔週発売のあの微妙にマニアックなシリーズ収集モノ雑誌。
私も書店でたまに手に取って見るくらいで、買った例がありません。

「誰が買うんだこんなの。てか商売としてよく成り立ってなぁ」

と、ある意味感心しつつも距離を置いていましたが、しかし。先日から発売されている
「オペラコレクション」にやられました。
http://deagostini.jp/doc/

創刊号は言わずと知れたオペラの代名詞「カルメン」ですが、内容が凄い。
指揮がカルロス・クライバー、オケはウィーン国立歌劇場管弦楽団(要するにウィーンフィル)ドン・ホセには三大テノールのドミンゴを配します。カルメン役は残念ながら私はよく分かりませんすいません。
ただ、何れにせよこのメンバーで990円なら買いでしょう。買うしかありません。

で、早速買って見て見ました。

いや。流石。凄い。
クライバーの指揮が凄い。何で彼はこんなにもダイナミックにオケを操れるんでしょうか。それも単なる派手なパフォーマンスに陥るのではなく、必然性やある種の節度を持った上での自由奔放さ。
凄いとしか言いようがありません。天才の指揮です。
で、カルメンのオブラスツォワも勿論素晴らしいですが、やはりドミンゴが図抜けてます。流石は三大テノール。
大変満足しました。これで990円は安すぎる。4800くらいが妥当。

というわけで気をよくした私は、創刊2号目の「椿姫」も買って見ました、1980円。
指揮はショルティ、オケはコヴェントガーデン。
ヴィオレッタにアンジェラ・ゲオルギュー、アルフレッドはフランク・ロパードという面子。オペラに造詣が深くない私は正直申しまして、ショルティくらいしか知りません。しかも私はショルティの音楽は息が詰る感じがしてあまり好きではありません。
でもまぁやはり「椿姫」くらいはちゃんと知っておく必要があるだろうと思って買いました。

で、感想。

凄い。

何がって、ソプラノのアンジェラ・ゲオルギュー。半端無い。有り得ない。凄すぎワロタw
ショルティの音楽は全く普通です。完全にゲオルギューのバックアップ、それに徹してます。クライバーのカルメンのような、音楽が生き生きと語りだすことはありません、しかし!
それが逆に、ゲオルギューの素晴らしさを際立たせています。
でね、彼女は歌も見事ですが、何よりその美貌が素晴らしい。
アップロードファイル 549-1.jpeg
ヴィオレッタが不細工だとただのギャグですからね。
素晴らしいです。完璧です。完全にヴィオレッタ。彼女の絶唱を聞くためだけにこのDVDは存在します。素晴らしい。
※DECCAが出してるDVDは2980円だそうです、それでも安いな。

というわけで、今まで、オペラに関しては音楽だけをよく聴いて、粗筋くらいしか正直分からんという体たらくでしたが、これを機に「見て」いこうと思います。

次号は「魔笛」
夜の女王のアリアが楽しみで仕方ありません。

全てのオペラの中で最も有名なアリアの一つ。人間の限界。ドSのモーツァルト。ドイツ語カッコよすぎ。

さて、今後のラインナップの中で買うつもりでいるのは、発売順で

蝶々婦人、アイーダ、フィガロの結婚、トゥーランドット、こうもり、コジ・ファン・トゥッテ、トスカ、ローエングリン、トリスタンとイゾルデ、ドン・ジョバンニ、タンホイザー、ばらの騎士、さまよえるオランダ人、魔弾の射手、パルジファル、ニュルンベルクのマイスタージンガー

と言った所です。全部知ってますし、全部聴いたことはありますが、ほぼ全部「見たこと」はありませんw
この偏りを今後是正しますw
興味をお持ちの方は是非。1980円はオペラのDVDとしては破格です。

というわけで冒頭の問い
「誰が買うんだこんなの?」
は、各ジャンルに関して、私のような熱狂的変態が購読するということで謎が解けました。本当に有難うございます。

大晦日

だそうですこんばんは。昔風に言うと、おおつごもり。英語で言うとNew Year's Eve.ドイツ語だとジルベスター。
やっぱり英語って味も素っ気無いですよね。

…それはさて置き大晦日です。今年も今日で終わりです。より正確に言えばあと5時間ほどですか。そうですか。
俄かに信じられませんが、信じる信じないは別にしても、世の中的に大晦日らしいので、ここは一発大晦日気分を盛り上げるために大掃除をやらかそうと思い立つも、元々奇麗なので大掃除にならず。
じゃあ大晦日恒例ということで、ベートーヴェンの9番を聴いてみました。勿論1951年バイロイト。

さて、ベートーヴェンの第9と言えば、あの有名な
チャーララ ララララ チャーララ ラーララー♪
ってフレーズがありますが、あのフレーズを聞くためには、第一楽章から聞き始めて凡そ50分以上必要なんですね。
サビとも言える第四楽章自体が約25分弱もあるので、よく第9コンサートなどでは、第一から第三楽章にかけて客席には居眠りかます人が大勢居て、第四楽章の一発目のあの音で、やおら起きだす。という嘘のような本当の話があるとかないとか。

でもそんな人たちもクラシックをよく聴きこむようになると、ベートーヴェンの9番に対して色々言いたくなってくるものです。即ち、第9は第一から第三楽章こそ本質だ云々。第四楽章は、交響曲第10番の着想を無理やりくっつけたから違和感が出る云々。

確かに、所謂「通」を自称する人達の多くは、第一から第三楽章までを大変評価します。で、第四楽章に対してはシニカルな態度を取るのが通例。
私も俄かクラシックオタの一員として御多分に漏れず、第三楽章至高派です(特にルツェルンの第九の第三楽章は本当に凄い)

が、しかし。確かに第三楽章までのあの完璧な交響曲の進行からは程遠い第四楽章なんですが。
でも実際第四楽章が鳴り出すと、どうにも不思議なことに引き込まれるんですよね。音楽そのものの異常な推進力とやっぱりフルトヴェングラーの指揮の力でしょうか。
「違う」はずなのに、「これしかない」と思わせるというか、錯覚させるというか。
聴けば聴くほど不思議な交響曲です。そして、間違いなく最高の名曲です。
聴き終われば、拍手せざるを得ない。あぁ大晦日だと。
因みに大晦日に第九を聞くのは日本人だけの変な習慣なのですが、それは置いておいて。

さて、そんな第四楽章には、もう一つ、実は致命的な問題があります。

というのも、聴いていると、どうしても、どこからともなく

「さぁ行くよ。おいでアダムの分身。そしてリリンのしもべ」

とか

「そう、キミ達リリンはそう呼んでるね。何人にも冒されざる聖なる領域、心の光。リリンも分かっているんだろう?ATフィールドは誰もが持っている心の壁だと言うことを」

とか

「光波、電磁波、粒子も遮断しています。何もモニターできません!」
「まさに結界か!」

とか

「日向君。初号機の反応が消えて、もう一度変化があったときは」
「分かってます。ここを自爆させるんですね。サードインパクトを引き起こされるよりはマシですから」
「すまないわね」
「いいですよ。あなたと一緒なら」

とか

「アダム、人間にとって忌むべき存在。それを利用してまで生き延びようとするリリン。ボクには分からないよ。
…違う。これは、リリス。そうか、そういうことかリリン」

「有難う。弐号機はキミに止めておいて貰いたかったんだ。でないと、彼女と生き続けることになったからね」

「生き続けることがボクの運命だからだよ。結果、人が滅んだとしてもね」

「だが、ここで消えることも出来る。生と死は等価値なんだ。ボクにとってはね。自らの死、それが唯一の絶対的自由なんだよ」

「遺言だよ。さぁボクを消してくれ。滅びの時を免れ、未来を与えられる生命体は一つしか選ばれないんだ。そしてキミは死すべき存在ではない。有難う、キミに会えて嬉しかったよ。」

……という一連のアレが、脳内映像+フルボイスで余りにもリアルに。もうどうにも消せない。PTSDのレベル。
頼むから黙ってくれ石田彰。
まぁなんだ。どうしてこんな死ぬほどどうでもいいことを覚えているんでしょうか。10年以上昔ですよ。ありえませんよ普通。

というわけで、大晦日まで残念ながらこんな調子でした。うん。もうほんと残念。

さて、本当は今年最後と言うことで、今年を振り返ろうとも思ったのですが、やめにしました。
何故なら私は常に前を見る男だからです、振り返ったりはしないのです。
決して、一年分を読み返すのが面倒くさいとか、だるいとか。そーゆーわけではないんです。決して。

まぁなんでもいいや。今年も一年、有難うございました。来年もよろしくお願いします。

因みに来年の抱負

「ポルシェに乗る」

以上。それでは皆さんよいお年を。

※上記は私の怪しい記憶なので、台詞は微妙に間違ってるかもしれませんので悪しからず。いや寧ろ間違っていてくれ頼むから。

というわけで

ウィーンフィル大阪公演行って来ました。
私が今まで散々聴いてきたのは、クラシック音楽の「ようなもの」だったんですね。
実演は違いすぎワロタwww
やっぱね。いくらオーディオに金かけようが無駄ですね無駄。
本物には到底適いません。当たり前の事を改めて実感しました。
例えて言うなら、F1をいくらテレビで見て凄いと思っても、サーキットに行ってあの音聞いたらブッ飛ぶのと同じです。本物は全然違う。

いやしかし。ムーティや、ライナー・キュッヒル(コンマス)が目の前に。思わず

「うわ本物だ」

とか馬鹿みたいな事を思い、あほの子みたく、一瞬呆然。
でね、初めにコンマスが音出して、皆がチューニングするじゃないですか。それがまた有り得ない音。流石ストラディヴァリウス・シャコンヌ。本物はこんな音するんですね。

演奏ですが、もうなんつーか、弦楽器が凄い。厚い。美しい。何あのアンサンブル。前の大阪のオケや神奈川のオケの時は、結構、弦の音が金管に押されてたんですが、今回は全く違う。
勿論、席が1stヴァイオリンの目の前ってのもありますし、編成自体が大きいのもあるでしょうがそれでも弦楽器の密度が凄い。美しすぎ。
でね、そんな弦楽器の中で一番驚いたのは、コンマスのキュッヒルの音が、聴こえるんです。アンサンブルを崩すわけでも、声高に主張するわけでもないです。完璧に揃ってるのに、でも彼のヴァイオリンだけ明らかに音色が違う。存在感が違う。何故だ。ストラディヴァリウスだからか?
因みに、彼のヴァイオリンがかの名器だと知ったのは、今日帰って、wiki先生に聞いたからで、実演に接した際にはその事を知りませんでした(恥)
知らないのにそう感じたってのは、先入観や気のせいじゃないでしょう。
特にキュッヒルの音が素晴らしかったのは、ヴェルディの曲と、チャイ5の3楽章。
本当に美しかったです。流石奥さんが日本人だけあって本気度が違う。

さて、全体を通してですが。どうもホルンの人が微妙でしたが、他の金管、特にトランペットの人はチャイ5の4楽章で大活躍でしたね。素晴らしい演奏でした。
本音を言えば、東京での演目、ハイドンの67番とブルックナーの2番のが聴きたかったですがそれを言っても仕方ありません。次に日本に来る時こそはドイツ物を狙って行きましょう。
なお、アンコールは、ヨゼフ・シュトラウス「マリアの調べ」
ウィーンフィルによるシュトラウス一家のワルツを生で聴けてお腹いっぱいです。一瞬、ムジークフェラインザールでニューイヤーコンサートを聴いてるような気分になりました。素晴らしい。

というわけで、芸術の秋、実演を聴きに行こうシリーズですが、次回は11月1日
世界の5大オケの一つサンクトペテルブルク・フィルのチャイコフスキー4&5番。指揮は無論ユーリ・テミルカーノフ。
ムラヴィンスキーの衣鉢を継ぐ、本場のチャイコフスキーを聴きに行きますin大阪。
しかし何でこんなにチャイコフスキー付いてんだろう。本当はベートーヴェンかブルックナーを聞きたいのに。残るベルリンフィル、ロイヤルコンセルトヘボウ、シカゴ響でドイツ物をやるなら東京でもどこでも行ってやる。

金?…うん、まぁ自分一人で行くぶんにはさ、ね?

月日は

流れまくって、気が付いたらこの連休ですよ。
何がって?年始から騒いでたウィーンフィルの大阪公演です。
コンビニでチケットも出してきました。5列目とかw近すぎワロタwww
目の前にウィーンフィルの1stヴァイオリン。これはテンション上がりますね。

さてチャイコフスキーの5番。
果たしてどんな演奏をしてくれるのでしょう?
敢えてムーティ指揮のCDは買いませんでした。更にムラヴィンスキーのしか聴いてません。180度違う演奏でしょうね。それが楽しみ。

また以前この件に触れた際に、私はヴェルディのオペラはさっぱり知らんと書いたわけですが
まぁその後、色々聴いてみました、が、うん。まぁ何と言うか。
……やっぱ、オペラはドイツ物だろ?
ワーグナーですよワーグナー。序曲と言えばタンホイザー
ベートーヴェンの序曲もいいか。

本当に不思議なのですが、私は車を筆頭に、何故かどういうわけか、心惹かれるものはほぼ全てドイツ物(ドイツ語圏)なんですよね。前世はドイツ人だったのかも。

と、そんな私の価値観をぶっ壊してくれるようなイタリア物の実演を期待してやみません。

また、ウィーンフィルの前に、大阪シンフォニカー交響楽団の演奏を金曜に聴きに行きます。なんか会社が後援してるとかしてないとかでタダ券が手に入ったんで。
こちらの演目は、モーツァルトの協奏交響曲とブルックナーの1番。マニアックw
ブルックナーの1番ってあまり目立たないですが、後の交響曲の原型がそこここに散らばる面白い曲なんで、私は結構好きです。

そんなわけで、芸術の秋まっさかり。テンション上がってきました。

誰と行くの?とかテンションだだ下がりになることには触れないのが大人のマナー。

史上空前に

ネタがありません。
…あーそう言えば、件のウィーンフィルのチケットの先行販売が先日ありまして、なんとか無事取れました。S席34000円。高っ
で、演目ですが、ヴェルディのオペラと、チャイコフスキーの5番。

なるほどムーティが振るのですからこの演目は順当なものですが、しかし個人的には、何と言っても天下のウィーンフィルなのですから、モーツァルトかベートーヴェンが聴きたかったです。
特にモーツァルト。寧ろモーツァルト。なんでチャイ5?せめて4にして。

……まぁいいか。何れにせよ今から楽しみです。
さて、チャイ5は既に3種類持ってますので今更新しいのを買う必要はないのですがヴェルディの
『ジョバンナ・ダルコ(ジャンヌ・ダルク)』序曲
『シチリア島の夕べの祈り』からバレエ音楽「四季」
は持っておりませんので、予習のために買うことにします。
いや、正直言いまして、私ヴェルディのオペラはアイーダくらいしか知りません申し訳ありません。
このままでは不味いので色々探してみましたが、両曲を収めたCDはないようで、個別に買わないとダメみたいですね。
ジャンヌ・ダルク序曲は、ムーティがミラノ・スカラ座を振ったのがあるのでどんぴしゃ
シチリア島の夕べの祈りは、序曲はそこらじゅうにありますが、バレエ音楽は無いようなので全曲買うしかありません。何と言う散財。

というわけで、また金が吹っ飛びます。アルピナ号の車検代も合わせると……

……が、頑張ります。

年の瀬に

なりますと、ベートーヴェンの交響曲第9番がそこここから聞こえてきますねこんにちは。
さて以前、第9の名盤としてご紹介したフルトヴェングラー指揮の「バイロイトの第9」ですが、確か今年の初夏でしたでしょうか、そのバイロイトの第9に「別の音源」があるとフルトヴェングラー協会が発表し、そのCDを会員のみに販売しました。朝日新聞なんかにも取り上げられていたので、ご存知の方もいるかもしれません。
それが発端で、じゃあ今までのEMI版と今回のとどちらが「本当のライブ録音なのか?」が論争になりまして、今主流なのは、EMI版はゲネプロ(本番前の通し練習)と本番を繋ぎ合わせた物で、新しいのがどうやら本番そのまま、という説です。
ただ、諸説ありまして何が真説かは分かりません。
そんなこんなで世界中(の一部)を騒がせた新音源。
それが約半年経った今、ようやく一般に販売されることになったわけです。

アップロードファイル 332-1.jpg
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2660451

タワレコやHMVを筆頭に、クラシック売り場がある店には絶対置いてあると思います。てか、これが置いてないならモグリw

私も聴いてみました。
確かに、こっちのほうが「ライブ特有の雑音(咳やら諸々)」が余りにもリアルです。こっちのが本物のライブのままじゃないかと私は思いますが、まぁどっちにしろ「フルトヴェングラー感」(意味不明)が溢れまくってる超絶名演なんで文句ありません。
またリマスタリングも大変優秀でいい音です。
というわけで、そんな曰く付きの名盤が今なら2000円ほど。
この年末年始は是非、世界(の一部)を大いに盛り上げた真バイロイトの第9を聴いてみてください。大変お勧めです。

み、み、みらくる

ヤン・ウェンリー♪

もう全てを放り投げたような掴みですねこんちわ。
ちなみに「ヤーン・ウェインリィ♪」て感じで歌ってください。右腕を振り下ろせばミクル・ビームのかわりにトールハンマーが全てを薙ぎ払います(黙れ)

というわけで、毎年恒例銀河英雄伝説読み返しも、いよいよバーミリオン。
あの生意気な金髪の孺子がヤンにこてんぱんにやられる会戦です。

「卿らにはよい勉強になっただろう。卿らのレベルでは測ることのできない相手がいるのだ」

もうほんとお前が言うな。
何度も指摘してますが、純軍事的な才能に関して、ラインハルトは確実にヤンに劣り、キルヒアイスにも負けるでしょう。ヤンとキルヒアイスが死力を尽くして戦う所を見たかったですね。宇宙一決定戦。

と、そんな銀英伝ですが、今回読みながら気付いたことがあります。というのも

ワーグナーを聞きながら読むとドンピシャ

アニメ版にクラシックが多用されたのは周知ですが、数あるクラシックの名曲の中でもワーグナーのそれが最も合います。
というわけで私もダイジェストなどではなくそろそろワーグナーをちゃんと
聴こうと思いました。まずはいきなり「指環」から行きましょうか(ぉ

「指環」こと「ニーベルングの指環」とは
「ラインの黄金」「ワルキューレ」「ジークフリード」「神々の黄昏」の4幕からなるオペラです。総演奏時間約14時間強www
無論ぶっ通しは無理なので、4日以上に分けて上演されます。バイロイト音楽祭(小泉さんが政府専用機飛ばして見に行ったあれ。演目はタンホイザー)では基本的に毎年やるようですね。やる方もやる方だし見るほうもアレです。

話の筋としては、えーっと各自wikiれ(ぉ

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%81%AE%E6%8C%87%E7%92%B0

まぁ要するにロード・オブ・ザ・リングの凄い版(大間違

あとこれを聴くにあたっての難点は、まず歌詞がドイツ語。しかも古語の韻文。ネイティブのドイツ人ですらよく分からんというシロモノ。
従って訳が不可欠ですが、CDについてくるような物では埒があきませんので訳本が必要。
また当然ながら、CDが高い。2万とか普通にします。

つまり要するに金と根性が必要というわけです。

とは言えCDもフルトヴェングラーのが6kくらいで買えるし本も4kもあれば…って結局諭吉が一人。

というわけで、相変わらず毎月毎月物凄い勢いで諭吉が音楽に変身していきます。いつまで続くんでしょうかね。いつまでたっても金が貯まりません。自業自得。

このお休みは

恵比寿と渋谷と新宿に行ってきました。
こう書くとなんかオサレな感じですね、脱・ダメ度アップです。

…がしかし、その目的がミスタークラフト(車の模型屋)とHMVってのが微妙に微妙。HMVはまだマシですが、模型屋はどうだ、ダメか?まぁいいや。

いや、本命は渋谷と新宿のHMVだったんですが
千葉から行くと品川→山手線になりますので、嫌でも恵比寿を通りますからね、なら行っとけと。
ミスタークラフトは恵比寿駅から徒歩1分くらいにありまして、車の模型の品揃えは日本有数です。

http://www.mrcraft.co.jp/mrcraft.web/framepage1.htm

F1関係も多くてね、見てみたらB・A・Rホンダの007のエンジンカウル(実物)が売ってました250万。うわ欲しい。って無理。
色々といい物が売ってましたが欲望を押さえ込んで店を出て、一駅だから歩くかと思ったのが運の尽き。暑いの何の。もう最悪。
で、死にかけながら渋谷到着、センター街を抜けてHMVへ。超涼しい。

欲しいのは、バーンスタイン指揮のマーラー交響曲全集第二期DG盤。
ずーっと買おうと思ってたのに、先日廃盤になってしまいネットでは購入不可能。各店舗の現品限りってわけで、じゃあ確率のある渋谷新宿に、という次第。
またHMVにしろタワレコにしろ、ネット販売の価格と店舗販売の価格が違うので価格調査の意味も兼ねてます。

今欲しいのは、件のマーラー以外だと、内田光子のベートーヴェン後期ピアノソナタとシューベルトピアノソナタ集、ワーグナーのオペラ各種(フルトヴェングラー指揮の指環、クナ指揮のパルジファル、トリスタン)、カラスのトスカ、同じくプッチーニ色々、ヨッフム指揮のブルックナー9、テ・デウム

とりあえずそのくらいです。全部買ったら幾らになるんだ。5万くらい。無理。
でも値段を確認すると、タワレコより明らかに安い。流石HMV。横浜HMVはへっぽこですが、渋谷は侮れない。ただ、掘り出し物は無かったので、渋谷を出て新宿へ。

新宿到着、大変落ち着きます。渋谷は好きではありません。
で、南口からまず紀伊国屋を目指します。ここの音楽関係の書籍の豊富さは異常。てか音楽関係の書籍って、ほんと高いんです。音楽之友社とかほんとイヤになるくらい高い。
色々見てるとベートーヴェンの主だった曲の解説を一冊にまとめた本(550ページ)がありまして買いました5880円。高っ!!

金銭感覚が狂いながら新宿HMVへ。
しかし残念ながらここにもなかったです。
というわけで、いい加減諦めてヨッフム指揮のブルックナー9とテ・デウムだけを買いました。

…しかしブルックナーの9番ってこれで何枚目でしょうか。
ヨッフム×2、クナ×1、シューリヒト×1、ヴァント×1、フルトヴェングラー×1、ムラヴィンスキー×1…で計7?同じ曲を7通り?

……たぶん普通の人には絶対意味不明に映りますよねこれ。
これはまずい。このままではクラヲタになってしまいます。

ちなみに今年クラシックの「CD」に費やした金額は余裕で10万を超える勢い。
その他に3000円クラスの書籍がゴロゴロと。

……そ、そりゃ金が貯まらない道理ですね。

あ、でも今回買ったヨッフム・ミュンヘンフィルのブルックナー9番は
大変素晴らしかったです。

アップロードファイル 257-1.jpg
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2594613

以前私はシューリヒトをお勧めしましたが、こちらも最晩年のヨッフムらしい超ド級の名演。
アダージョの美しさはシューリヒトを超えます。
いきなりブルックナーの9番を聴くのはあまりお勧めしませんが、一回聴いてみようかという奇特な方は是非どうぞ。

何だかんだ

言いながら見続けてきたのだめカンタービレですが、今夜ついに最終回です。
ベートーヴェンの7番やって、実家にのだめを捕まえに行って終わり。
ということになりますが、注目すべきはやはり7番の演奏シーンをどこまで
やってくれるのか、ということです。
以前、ラフマニノフを激賞しましたが、しかし続くブラームスの1番が極めて期待ハズレでした。更に先週のカルメン。ドラマと同じ音源なのかは確認してませんが何れにせよ、酷い。ヘタすぎる。確かにサラサーテ編曲のヴァイオリン曲は難曲揃いではありますが、それにしても酷すぎる。もうちょっとマシなソリストは居なかったんでしょうか?
……まぁ済んだことは仕方ありません。それよりも7番です。7番。
ワーグナーとリストが神認定した交響曲第7番です。
演奏は恐らくドラマ版に準じるはずですから、まぁそれほど期待はしません。それより絵です、絵。ラフマニノフクオリティでやってくれたら、私は今晩大喜びです。それ以下なら大変げんなりです。
てか、最終回なんだから気合入ってるでしょうたぶん。てか入れろ。
ライブアライブを超えてみせろ(無理)

さてベートーヴェンの7番の名演は?と問われれば、何度も言ってますが

アップロードファイル 237-1.jpg
1943年10月31日、11月3日フルトヴェングラー指揮ベルリンフィル

を置いて他にありません。
1楽章の類例を見ない力強さや4楽章コーダ(終結部)の圧倒的な爆発力などに気を取られがちですが、真に恐るべきは2楽章です。
最初の木管(オーボエ、ファゴット、クラリネット)の痛切極まる音。
弦楽器がその後を引き継ぎますが、慟哭にも聞こえる悲痛な響きを奏でます。
これほどまでに美しくも哀しい7番2楽章はこれ以外に存在しません。
審判の日に救いを求めるかのような、この2楽章があるからこそ、3楽章そしてあの熱狂的な4楽章が意義を持つわけです。

苦難を超える意思の力。人はそれでも前に進むんだと。

というのも1943年と言えば、ドイツがスターリングラードでの敗北から転げ落ちる最中です。この演奏の約半年後にノルマンディーだという事実を思い出せば、当時のドイツの内情は容易に想像ができますね。
明日をも知れぬ思いで演奏をする人間と、それを聞く人間。人と場所と歴史が収斂して、こういう演奏が生まれると。
逆にいえば、ここまでの状況にならないと、こういう究極的な芸術は生まれない、とも言えますね。
人間とは、音楽とは、芸術とは何なのか。
そういう疑問を抱いてしまう、そんな演奏です。

アップロードファイル 237-2.jpg
※第2楽章冒頭部、第一音から他の演奏とは別次元。
ttp://www.yung.jp/yungdb/op.php?id=142
※ここで聞けます。音は悪いですが素晴らしいサイトなんでご紹介。
因みに右クリック保存→拡張子をtxtに変えて開けば、そこにmp3へのリンクが!

というわけで、今晩0時45分から
のだめカンタービレ最終話。フジでやりますんで是非ご覧ください。

初見のCD屋さん

を見つけるとクラシックの売り場を見に行くのがデフォですこんにちわ。
で、大概期待を裏切られるわけですが、たまにアタリもあります。
というわけで唐突にクラシックの品揃えが素晴らしいお店紹介。

・新宿高島屋のHMV
新宿と代々木の間にある高島屋です。ここのHMVは、横浜やら千葉の各HMVを軽く凌駕するクラシックの品揃え。
また一階上にあるレストランフロアのてんぷら屋は大変美味でして行くたびに食べるのは余談。

・秋葉原のタワレコ
先日、博物館に行った帰りにヨドバシアキバのタワレコによったら、案外凄かったです。ただ新宿HMVには勝てないか。

・横浜駅前のタワレコ
売り場面積はさほど大きくないのですが、品揃えはかなりマニアック。
オーパス蔵やオタケンなど復刻系が大変充実してまして私的に非常にポイント高いです。エネスコのバッハ無伴奏バイオリン(赤ジャケット)が普通に売ってて速攻買いました。職場のすぐ近くにあるので大変助かります。

で、意外な穴場が、ブックオフをはじめとする中古屋。
この種のリサイクルショップに行くと、意外な掘り出し物に出会えます。
更にブックオフは大概のクラシックは1000円です。
現在は廃盤になってしまっている名演なんかが、その値段で買えてしまうという事実。

というわけで相変わらず無尽蔵に増えていくCDの置き場に困り果てる今日この頃。適当に漫画でも売り払ってスペースを確保しましょうかね。

さて最近というわけではないんですがブルックナーの交響曲が特に増えてます。クナッパーツブッシュ、シューリヒト、ヨッフム、ヴァントという王道を押さえてますが、私の好きな5,7,8,9番それぞれのベストは

5はヨッフム指揮コンセルトヘボウ(1986年)
アップロードファイル 232-1.jpg
http://www.hmv.co.jp/product/detail/551849

7は同じくヨッフム、コンルトヘボウ(1986年)
アップロードファイル 232-2.jpg
http://www.hmv.co.jp/product/detail/747998

8はクナッパーツブッシュ、ミュンヘンフィル(1963年)
アップロードファイル 232-3.jpg
http://www.hmv.co.jp/product/detail/384616

9はシューリヒト、ウィーンフィル(1961年)
アップロードファイル 232-4.jpg
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2575238

でしょうか。ヴァントも持ってますが、個人的に彼のブルックナーは息が詰まる感じがしてあまり好きではありません。シューリヒトは硬質系ですが透明感が異常。クナは巨大。8番がドンピシャでしょう。録音が良くないのが大変もったいない。
個人的にはヨッフムが一番好きです。それも全集のシュターツカペレ・ドレスデンと入れたのではなく、最晩年(1986年)にコンセルトヘボウを振った5番7番。
5番は本拠地アムステルダムで、そして7番は日本公演のものですが、もう何と言うか神がかった美しさです。ブルックナーの交響曲を表現するに用いられる常套句に「音の大伽藍」という語がありますが、まさしくその通り。
バッハの音楽に並ぶ神聖さを感じさせる超絶名演です。
因みに8番もバンベルク交響楽団と日本公演で演奏したものがありますがこれは4楽章のコーダ(最終部)でちょっとだけオケが乱れるのが玉に瑕。
ただアダージョ(3楽章)の美しさは例によって異常。
ヨッフムの最晩年のブルックナーを超えるものは私が知る限りありません。
まぁ極めて狭い範囲しか知りませんがねwww
というわけで是非、一度ブルックナーの名演に触れてみてください。
バッハ、ベートーヴェンに並ぶ音楽ですから。
ただバッハやベートーヴェンと比べて大変分かり難いのも事実です。あとやたら長いです(5,7,8番は約80分)
ですが何度も聞いてるうちにはまりこむ事請け合い。レッツ大伽藍!!(意味不明

……しかしクラシックネタはどれだけ需要があるんだろう。
まぁいいか。いいのかよ。

どれだけの

人が、このネタを有益に思っていただけるか甚だ謎ですが
…まぁいつも別に有益な話を書いているわけでもないからいいか(ぉ

というわけで、クラシックの名盤というか、名CD案内。

最近はアマゾンに物足りなさを感じるようになりまして、専らHMVのHPで輸入盤を漁る日々ですが、これが結構、アタリを引くのが多いんですよ。てか輸入盤の利点はとにかくその安さです。国内盤の7掛けくらいで買えますからね。
また国内盤がそもそも存在せず、輸入盤でしか聴けない演奏も多数(特にムラヴィンスキー)
逆に難点としては、解説書に書かれていることが英語ならまだしもドイツ語やらイタリア語やらロシア語でさっぱり読めない点ですが、まぁ聞けりゃ十分細かいことは気にすんな(ぉ

というわけで、買ったボックス物で特に大当たりだった

アップロードファイル 184-1.jpg

フルトヴェングラー戦時録音集(6枚組)¥3,015の紹介です。
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=1288745

・収録曲
交響曲3,4,5,6,7,9番
コリオラン序曲、弦楽四重奏13番、ヴァイオリン協奏曲、レオノーレ序曲第3番、ピアノ協奏曲第4番
以上ベートーヴェン
チェロ協奏曲最終楽章、シューマン
交響曲第1番第4楽章、ブラームス
交響曲第7番第2楽章、ブルックナー
おまけ:フルトヴェングラー「第九」を語るinルツェルン

というセット。
私的に神認定の指揮者フルトヴェングラーの、しかも最高と名高い大戦中の録音を集めたボックス。
オケは主としてベルリン・フィル、部分的にウィーン・フィルです。
収められた演奏は本当に凄まじい物ばかり。
ベートーヴェンの3番は「ウラニアのエロイカ」の名で知られた世紀の名演。
4番もとんでもない緊張感に包まれてます。凄い。有り得ない。
5番は47年盤と双璧の逸品。
そして7番、超ド級の迫力。第1楽章と4楽章がとんでもないことに。
9番もいいですね。バイロイトに比べるとオケが格段に巧い。流石ベルリン・フィル。またテノール超巧い。まぁそれでもバイロイトのほうがいいですが。
てか、無論6もいいですよ、ただ他がズバ抜け過ぎているだけです。
と、ここまででもお買い得なんですが(国内盤で一つずつ買えば、それぞれ2000円前後します)
しかし私がこのボックスで一番素晴らしいと思ったのは

ブラームスの交響曲第1番、第4楽章なんですね。

私は以前、ブラームスの1番には、シャルル・ミュンシュ、パリ管を挙げました。勿論それは素晴らしい超名演ですし、その認識は今も揺らぎませんが、このフルトヴェングラーの第4楽章は、何と言うか、もはや人間の技を、芸術を超えてます。神の領域。言葉では表現のしようがない。

何故こんなにも鬼気迫るとんでもない演奏が生まれるのか?

これが録音されたのは、1945年1月23日。場所はドイツ、アドミラル劇場。つまり、ドイツの敗戦が決まる3ヶ月ちょっと前。もうそりゃ壊滅極限状態ですよ。
この日、ベルリン・フィルのコンサートの演目はモーツァルトの40番、そしてブラームスの1番でしたが、モーツァルトの40番の途中、空襲で停電となりコンサートは中断したんですね。
で、1時間後再開し、このブラ1の第4楽章だけが、記録に残った。
…もう、嘘偽りも、何の誇張も無く、文字通りこれは「命を賭けた演奏」なんです。
しかも、フルトヴェングラーは「ヒトラー暗殺の嫌疑」から逮捕目前ということで、この録音の翌日の夜、スイスに亡命をしています。フルトヴェングラーにとってこれが最後のベルリン・フィルとの演奏だったわけで(そして戦後初のベルリン・フィルとの演奏が47年のベートーヴェン第5番)
そりゃ、もう演奏から言葉では表現できない音が生まれるのも必然でしょう。
…凄絶とか壮絶とか凄烈とか超絶とか様々単語が有りますが、日本語の語彙の幅をもってしてもこの演奏の凄さを言語で表現することは不可能です。
また、このボックスには入ってませんが、1945年1月28日、亡命後初の演奏としてウィーン・フィルを振ったのが、ブラームスの2番でした。この選曲の繋がりは、疑いようも無く意図的なものでしょう。
そして勿論これも天下の大名演です。
…フルトヴェングラーの心境、如何程の物か。
演奏が何にもまして雄弁に語ります。

そして、このボックスでもう一つ大変興味深いのは、このブラームスの後に入ってるのが、ブルックナーの7番の第2楽章だということです。
それの何処が何故、興味深いのか?
ブルックナーの7番、特に第2楽章と言えば、ブルックナーが、心酔していたワーグナーの死にあたり作った彼へのレクイエム、葬送の曲なんですね。
さて周知のように、ヒトラーはワーグナーの熱烈な、というか狂信的な信者でした。
で、1945年4月30日、ヒトラーは我が事ならず、その狂気の人生を終えるわけで、それを受け翌日ドイツのラジオはヒトラーの“戦死”を告げるんですが、その放送に際して流されたのは
ヒトラーが愛したワーグナーの歌劇の最高傑作「ニーベルングの指環」第四部「神々の黄昏」より「ジークフリートの葬送行進曲」
そして(そのワーグナーへのレクイエムである)ブルックナーの「交響曲第7番第2楽章」この2曲だったんですね。
これは勿論、そーゆー裏があっての選曲なんでしょうが、そこで流されたのは両曲ともフルトヴェングラー指揮の物だったという話ですから、確証は持てませんが、事によるとこのボックスのそれはヒトラーの死を告げた時に流されたそれ、かもしれません。
…フルトヴェングラー戦中ドイツでの最後の演奏(ブラームス)の次に、フルトヴェングラーを愛しつつも追い詰めたヒトラーの、その死を告げたブルックナーを持ってくるこの選曲。
これを興味深いと言わずして何と言いましょう。

というわけで、聞いていて思わず襟を正さずにはいられない、曰く付きの歴史的逸品ばかり。
いやほんと、このボックス作った人間は相当アレですね。ヨーロッパにも濃い人は居るもんだ。これでたった 3000円ってんだから、もう。興味ある方は是非どうぞ。芸術的、歴史的価値から考えるとゼロがもう一個ついていても不思議じゃないくらいの品物です。
ただ録音は当たり前ですが全部モノラルです。しかも戦争中の録音ですから、クリアとは言いがたい部分がありますが、十二分に鑑賞に堪えます。てか寧ろあの戦争中に記録された音楽がこれだけの高音質で残っているのは奇跡的です。ドイツの技術は世界一。

あとフルトヴェングラーの肉声もポイント高い。1954年ルツェルンで「第九」を語った物です。
因みにこの演奏がフルトヴェングラー最期の第九になるわけでして。
ドイツ語ですから何を喋ってるのか全く解りませんが、何とも色々考えさせられます。
あと声は今は亡き山田康雄氏にちょっとだけ似てます。ルパァァァアン(ぉ

またまた

クラシックのお話です。
色々聴いてきまして、クラシックの指揮者とオーケストラの関係を例えるにどんな物が一番分かりやすいかと思いあぐねていたんですが、こんな例えを思い浮かべました。

F1です。

…えーもうなんつーか、無理矢理の感を受けられるかもしれませんが
ちょっと待ってください。もうちょっと聞いて(読んで)ください。

まず曲です。曲をF1に当てはめるとサーキットです。
次、オーケストラがチーム(マシン)に相当し
そして指揮者が、ドライバーです。

これね、結構当てはまると思うんですよ。
例えば、鈴鹿というコースを同じフェラーリで走っても、顎と蛙じゃ全然違ったでしょ?
モーツァルトを同じウィーンフィルで演奏しても、ワルターとカラヤンじゃ全然違うわけですよ。

どうでしょう。結構あってると思いませんか。思いませんか。そうですか。

…とまぁなんでこんなことを唐突に言い出したかといいますと
ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィルによるチャイコフスキーの交響曲4,5,6を買いまして聞いたらもうぶっ飛んだわけですよ。
ベーム・ロンドン響なんて霞むどころじゃありません、比較にならない。
次元が違います。

私は、基本的にテンポの速い演奏は好きじゃないんです。ボレロもそうですし、ベートーヴェンの7番にしてもクレンペラーを推すのはあのゆったりとして且つ密度の濃い演奏だからなのですが、しかし。

ムラヴィンスキーの指揮は超高速です。
テンポの速い演奏は往々にして音が軽くなり聞けたもんじゃないんですが、この人の指揮は違う。ありえない速度でありえない高密度の演奏をします。凄まじい迫力と切れ味と緊張感。
レニングラード・フィルの超絶アンサンブルには驚愕する以外にありません。
そしてそんなオケを作り上げたムラヴィンスキーという指揮者。恐ろしい。

…そんな演奏を聴いて、思い浮かんだのがF1のオンボード映像です。

あの鈴鹿の1コーナーに、S字に、130Rに、あの速度で突っ込む有り得ないドライビング技術、マシン性能。それとだぶります。
まるでセナの予選のようなぎりぎりまで張り詰めたあの緊張感。

あぁF1に似てると。

ただ惜しむらくは、この人、ソ連の人でして良好な音源が殆ど残されていないんですね。件の4,5,6はロンドンとウィーンに乗り込んでやったもので、それ故に高音質で残されていたわけですが、他の演奏、特に評価の高いドイツ系やショスタの演奏は国内盤で良いのは殆どない。残念無念。世界的な損失。
と思いながら、HMVのサイトを見てると輸入盤があるじゃないですか。ベートーヴェンとショスタ。というわけでまたまたお買い上げ。
ついでにフルトヴェングラーの戦中録音集もお買い上げ。

……来月のアマゾンとその他諸々からの請求は一体幾らになるんだろう。

…ま、まぁいいやこれはホントに一生物だから。と自分を誤魔化してみる。

最後に教訓

やっぱり買う前には下調べしましょう。
まずは名演名盤。これ絶対。あと少々の金額差を惜しまない。

……と、言いながらも実は、平凡な演奏にも面白みがあるんですが、その話はまた今度。

実家から

再セットアップディスクを送ってもらい、見事ノートパソコンが復活
しました。電話で位置を説明し、且つ写メで確認しただけあってマイ母を
しても間違えずに送ってくれたわけでIT万歳。
ちょうどその日はWindows Vistaの発売日であり、最新OSが登場した
まさにその日に型落ちOSを再インストというなんとも因果なお話です。
てか家のパソコンで私がする事といえばここの文章を書いたり諸々の動画を
再生することだけですから、98やMeは流石に微妙ですが、2000かXPで
あれば必要十分でありまして
あんなクソ重いOSには全く食指が動きません。
てかXPでさえも、私はクラシック表示にしてるくらいですからね。
…こんなことを言ってると時代から取り残されるのでしょうか。
まぁ来年以降、PCの性能がVistaを余裕で振り回せるようになる頃に買いましょうか。

さて、ではパソコン復活を記念して、ハルヒの第11話に関するお話をしましょう。
以下は今更ながら壮絶なネタバレ且つ黒歴史ですので、閲覧にはご注意を。

続きを読む

これまで

何度も「情報の積極的な収集こそ肝要だ」と偉そうな話を私はしてますが、最近しみじみ自分自身そのことを実感させられたものに、クラシックが挙げられます。

私は、まぁこの「canon」というハンドルネームの通り、昔からクラシック好きでしたが、聞くのは主にバロックのオムニバスとかが多かったんですね。
そんなのを飽きもせず10年くらい聞き続けてきたわけですが、先日来、主体的に色々と調べて、所謂「名演」と呼ばれる音源を聞きまくるという日々が続いてますが、もう何と言うか。
ほんとに、この10年は何だったのかと。

世にはクラシカ○エバーだとかクラシックベ○ト100だとか数多くのオムニバスがありますし私も持ってますが、あんなもの何年聞いてても無駄です。
んなのをわざわざ3000円近く払って買うなら
誰でも好きなクラシック音楽の一つや二つはあると思います、そしてどんな曲でも「世紀の名演」ってのが大抵ありますんで、それを買って聴いてみることを強くお勧めします。強烈に推します。
何せクラシックのCDは安い。オペラ全曲集とか交響曲全曲集とかじゃない限りは1000円台が殆どです。
またクラシックは敷居が高いとかいう意味不明な誹謗もありますが、何も肩肘張る必要は全くありません。交響曲でさえも大抵は一時間弱。そこらの歌手のアルバムより短いです。
それを聞き流すだけでいいです。本読みながらでもいいです。

んな聞き方じゃ分からない?

いえいえ。

本物の名演は、はじめはそんな調子で聞き始めても、いつのまにか引き込まれて知らず知らずに聴き入ってしまいますから。そして最後は思わず拍手までしそうになります。ていうか、します。ヘタすりゃ泣けます。
そんなのを2、3回体験すればもうダメですね。どっぷりですよ。次から次です。

あとは聞きなれたクラシックの曲の名演を改めて聴いてみるのも面白いです。
例えばベートーヴェンのピアノソナタに「月光」とか「悲愴」ってありますよね。誰でも絶対に耳にしたことがあると思います。
テレビなんかで大変よく使われますからね。素晴らしい曲ですが、それ故に慣れてしまって感動しにくいもんですが、しかし。
バックハウスやギレリスの演奏を聴いてみてください。
「月光」とは、「悲愴」とは、こんなにも凄まじいピアノの名曲だったのかと。そりゃビューローをして「ピアノ曲の新約聖書」と言わしめるだけはあると。本当に心から感動できます。絶対です。これで感動できなきゃ何聞いても無駄です(ぉ
それ以外にもピアノと言えばショパンですが、ショパンならリヒテルもいいですしアルゲリッチもスンバラシイです。
24の前奏曲なんて、もう!!(落ち着け

ほんの少しだけ知ろうとする。

努力とも苦労とも呼べない簡単な作業と、あとは1000円ほどの出費で、こんなにも素晴らしい物に触れられるわけですから、こんなに素晴らしいことはありません。

本物を感じ、知ることは大変幸せなことだと思います。


……さて本物といえば今日あたり例のものが届く(ゲフッ


ページ移動