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事前情報を

全てシャットアウトしても大成功したシン・ゴジラと
これでもかと宣伝を繰り返す、君の名は。
果たして勝つのはどっちなんでしょうかね?

ゴジラを

ここまで見事に描いた庵野に、ウルトラマンを撮らせたら超面白いんじゃね?
と思いついてテンションが上がるも

…いや、それエヴァじゃん

と気付いて、何か寂しい思いをする夏の一日

(パニック)映画的お約束

ってありますよね。現代科学を圧倒的に凌駕した超兵器が突然開発されるとか、何故か知らない間に人類の存亡を一手に引き受ける主人公とか、何故か唐突に展開されるラブコメ要素とか、敵側と心を通わす美少女とか、何の脈絡もなく出てくるジャニーズとかAKBとか、なんだかよくわからない主題歌とか。
うんざり、というか、まぁ仕方ないよね一般受けするには。と飲みこまざるを得ないわけですが。

庵野がエヴァをほったらかして趣味爆発で作った映画

シン・ゴジラ

私も見に行った訳ですが。
そーゆー邦画的お約束が、一切、完全に、微塵も、ありません。
徹頭徹尾、「現実の日本」が、もし本当にゴジラに直面したら、どうなるのか?
という、シミュレーションフィルムになってます。

素晴らしい。

官邸の恐るべき意思決定の遅さとか、官僚たちの人外な事務処理能力とか、自衛隊の神がかった練度とか、アメリカの余りの大雑把な被害想定とか

全てがリアルです。
まぁもちろん、映画的な嘘が皆無かと言われれば決してそうではありません(だって映画だし)ツッコミどころがいろいろあるのも事実です。
ですが、未だかつて日本の特撮、SF、その他パニック映画で、ここまでリアルな群像劇を描いた映画はありません。

さて、個人的に。いや恐らく全ての人が、ゴジラと言われて想起する
あの、口から放射線ビームをぶっ放しての破壊シーンですが、巨神兵の描写を宮崎駿に一任された庵野が作ったわけですから、そりゃもう半端じゃありません。本気で洒落にならん大災害として、とことんリアルに描かれます。
私も今までゴジラ映画は色々見てきましたが

「もういい加減、死んでくれ」

とゴジラに対して思ったのは今回が初めてです。そのくらいのレベル。

というわけで、冒頭で挙げたような、映画的あるあるが好きな方には全くお勧めできません。例えば一般的なリア充が初回デートで選ぶ。とかは絶対に避けるべきです。
しかし
「生粋の特撮オタクが、自分の理想とする特撮を、全てのしがらみを捨てて作り上げた映画」
或いは
「エヴァ無しで挑む、ヤシマ作戦」
と聞いて、見てみたい、と思える人には是非お勧め。絶対に見るべきです。

…あーもう一回見たい。