言いながら見続けてきたのだめカンタービレですが、今夜ついに最終回です。
ベートーヴェンの7番やって、実家にのだめを捕まえに行って終わり。
ということになりますが、注目すべきはやはり7番の演奏シーンをどこまで
やってくれるのか、ということです。
以前、ラフマニノフを激賞しましたが、しかし続くブラームスの1番が極めて期待ハズレでした。更に先週のカルメン。ドラマと同じ音源なのかは確認してませんが何れにせよ、酷い。ヘタすぎる。確かにサラサーテ編曲のヴァイオリン曲は難曲揃いではありますが、それにしても酷すぎる。もうちょっとマシなソリストは居なかったんでしょうか?
……まぁ済んだことは仕方ありません。それよりも7番です。7番。
ワーグナーとリストが神認定した交響曲第7番です。
演奏は恐らくドラマ版に準じるはずですから、まぁそれほど期待はしません。それより絵です、絵。ラフマニノフクオリティでやってくれたら、私は今晩大喜びです。それ以下なら大変げんなりです。
てか、最終回なんだから気合入ってるでしょうたぶん。てか入れろ。
ライブアライブを超えてみせろ(無理)
さてベートーヴェンの7番の名演は?と問われれば、何度も言ってますが
1943年10月31日、11月3日フルトヴェングラー指揮ベルリンフィル
を置いて他にありません。
1楽章の類例を見ない力強さや4楽章コーダ(終結部)の圧倒的な爆発力などに気を取られがちですが、真に恐るべきは2楽章です。
最初の木管(オーボエ、ファゴット、クラリネット)の痛切極まる音。
弦楽器がその後を引き継ぎますが、慟哭にも聞こえる悲痛な響きを奏でます。
これほどまでに美しくも哀しい7番2楽章はこれ以外に存在しません。
審判の日に救いを求めるかのような、この2楽章があるからこそ、3楽章そしてあの熱狂的な4楽章が意義を持つわけです。
苦難を超える意思の力。人はそれでも前に進むんだと。
というのも1943年と言えば、ドイツがスターリングラードでの敗北から転げ落ちる最中です。この演奏の約半年後にノルマンディーだという事実を思い出せば、当時のドイツの内情は容易に想像ができますね。
明日をも知れぬ思いで演奏をする人間と、それを聞く人間。人と場所と歴史が収斂して、こういう演奏が生まれると。
逆にいえば、ここまでの状況にならないと、こういう究極的な芸術は生まれない、とも言えますね。
人間とは、音楽とは、芸術とは何なのか。
そういう疑問を抱いてしまう、そんな演奏です。
※第2楽章冒頭部、第一音から他の演奏とは別次元。
ttp://www.yung.jp/yungdb/op.php?id=142
※ここで聞けます。音は悪いですが素晴らしいサイトなんでご紹介。
因みに右クリック保存→拡張子をtxtに変えて開けば、そこにmp3へのリンクが!
というわけで、今晩0時45分から
のだめカンタービレ最終話。フジでやりますんで是非ご覧ください。