内装と聞いてイメージするのはどんなものでしょうかこんばんは。
例えば革張りのシートだったり、木をふんだんに使ったインテリアだったり名の通ったメーカーのカーステレオだったり、まぁそんな所でしょうか。
因みに「フルレザーインテリア」だとか「ウォルナットのインパネ」とかを見た時、多くの人は本当に本物の革や木を使っているんだと思われるかもしれませんが、実はそうではありません。
フルレザーと言いながらも、多くの部位でビニールが使われてますし、木目と呼ばれる物も、表層のほんのコンマ数ミリの木目を貼り付けたものに過ぎません。
実際に内装全部本物の革を使ってるのはフェラーリやアストンの上位車種、そしてロールスくらいのものです。
木目パーツも同様。本物の「木」を使ってたのは昔のロールスやモーガンくらいで、他は全部継ぎ接ぎです。
さて、そんな裏話はどうでもよく、要するに「高級車の内装」に対して広く一般のイメージってのはそんなものでしょう。で、そーゆーのが「金のかかってる内装」だと思われがちです。
だからでしょうか。よくポルシェの内装に対して
「1000万円の車とはとても思えない」
「貧相でチャチなインテリア」
という類の話を聞きますが、まぁ何と言うか
「お前は何を言っているんだ?」
確かに996の内装は本当に金の掛かっていない驚くべき安物ですが、それ以前のポルシェのインテリアは死ぬほど金がかかってます。革の設えや、立て付けの恐るべき精度もそうですが、何よりも凄いのはその全てのパーツの剛性です。
例えばシート。革かファブリックかなんてのはどうでもいいです。凄いのはその構造。
鋼製のフレームをふんだんに使ってるシートなんてそうそうありません。更にシートの保持剛性の異常な高さ。
揺すろうが蹴飛ばそうがビクともしません。流石はレカロ。
或いはハンドルもそうです。993までのポルシェのハンドルはチルトもテレスコ(ハンドルの上下前後を動かす機能のこと)もありません。超高剛性。叩こうが殴ろうが微動だにしません。
そんなハンドルではドラポジが決まらないように思えるかもしれませんが、これが簡単完璧に決まる。凄いです。
並みの車ではこうはいきません。例えば、私が毎日乗ってる営業車のパッソなんか、何をやろうが全くドラポジが決まらず本当に不愉快です。私の体型で決まらないってことは、世の半数の男性と9割くらいの女性は駄目ってことですよ?パッソは女性をターゲットにした車でしょう?
それがこのクソレイアウト。バカなの?死ぬの?
だから私はトヨタが嫌いなんですよ。分からない人を馬鹿にしたような車作りなんて絶対に許せません。
…閑話休題。ポルシェに戻ります。
勿論シフトの感触も剛性の塊。アクセル、ブレーキ、クラッチのタッチも同様です。手に触れる全ての物が超高剛性。
シートに座っただけで「流石」と思うのは、ポルシェの他には、あの伝説の500Eくらいのものですね。
つまり要するに、こけおどしの見た目ではなく、突き詰めようとすると本当に金がかかる箇所で本当に金かけた作りになってます。有り得ないコストの掛け方。内装を一通り触っただけで
「そりゃ経営傾くわw」
と思わず笑えるくらい金掛かってます。いやほんと。いいなぁ古き良き機械は本当にいいです。
ただ、そんな変態にとっては素晴らしい内装ですが、唯一の問題が。
車の中の匂いが、アルピナ号と全く一緒。
……乗り込んだ瞬間に、顔が引きつりました。いや、嫌いな匂いじゃないです。寧ろ好きなんですが何と言うか、まぁ例えるなら、新しい彼女が元カノと同じ香水使ってたと言えば、ご理解頂けるかと思います。
しかも酷い別れ方をした相手ときたもんです。良心の呵責に苛まれて仕方ありません。
これが人間相手なら
「いい香りの香水だねーでも俺こっちの方が好きかなー」
とか適当な事言って変えさせることも可能ですが、相手が車ですからそうもいきません。
かといってオートバックスで売ってるような鼻がもげそうになる車用香水なんて嫌ですし……ファブリーズか。そうか。
まぁおいおい考えます。或いは時間が解決してくるか。いろいろな意味で。
さて、最後にシートのお話でもう一つ。
このレカロのシート、フルに倒せば、ちゃんと寝られました。素晴らしい。
これで鈴鹿車泊も万全ですw