さてお久しぶりの旅日記です。
前日9時前には寝た都合上5時には起きまして、下に挙げたような幻想的な町並みを写真に撮り、ご飯を食べて、ホーエンシュバンガウへ向かいます。要するにノイスヴァンシュタイン城ですね。
さて、道中「ロマンティック街道」をひたすら走ります。日本で言うところの東海道とか中山道とかみたく、ドイツの古くからある街道ですね。
どうしても日本人的には「ロマンティック」と言われると、「止まらない」とか「あげるよ」とか思い浮かべますが、ここで言う「ロマンティック」とは、あくまでも、ローマに続く街道という意味です。全ての道はローマに通ず的なそれ。
道沿いは本来風光明媚なところですが、この日は、朝から非常に濃い霧に覆われておりまして残念な感じでした。
途中、これもドイツの有名な「古城街道」と交差したり、青くも美しくもないドナウ川を車窓から眺めたりしながらお昼前にノイスヴァンシュタイン城に到着。花より団子ということで観光の前にお昼ご飯。ドイツ風メイド服に身を包んだおば…おねーさん達が給仕をしてます。出てきたのは、巨大なロールキャベツ。ここでも勿論、ビールを飲みます。
相変わらず、特に日本のビールと味が異なるわけではありませんが、しかし、真昼間から飲むビールが旨いことに変わりはありませんので私は満足です。
さて、食欲を満たした我々。山の上まで行くバスに中国人観光客とともに5分ほど揺られて、城の奥にある峡谷を渡す「マリエン橋」に到着。ノイスヴァンシュタイン城を眺めます。極めて絶景。
我々が「ノイスヴァンシュタイン城」と言われてまず思い浮かべるのは、このつり橋からの絵だったんですね。これが厳寒期の雪景色の中なら素晴らしく最高でしょうが、まぁそれはプロの写真家に任せます。
さてしかし写真では分かりにくいですが、この写真には写っていない、城の向こう側は全面的に外壁の工事中でした。これ以外にも非常に美しく城が見えるポイントがありまして、写真にも勿論収めたのですが、全て外壁工事の足場やらフェンスやらに囲まれまして、残念なシュタイン城の風情。仕方ありません。ちなみに城がある高台から眺める景色は
こんな感じです。真ん中辺りに見える黄色いお城「ホーエンシュヴァンガウ城」は、ノイスヴァンシュタイン城を建てたルードヴィッヒ2世の父親マクシミリアン2世の居城。家どころか城があるなら一緒に住めと思いますが、やんごとない方々にはやんごとない考えがあるのでしょう。忖度すること能わざる話は置いといて、いよいよノイスヴァンシュタイン城内へ。
さて、クラシック音楽が好きな人であれば「ルードヴィッヒ2世」の名を聞けば、ワーグナーを連想すると思います。
ワーグナー。ドイツが誇るオペラ(彼は楽劇と呼びましたが)の巨人。間違いなく天才ですが、完璧な人格破綻者です。
さて、そんなワーグナーの熱烈なファンが、他でもない、ルードヴィッヒ2世です。ワーグナーに金銭的な援助を国が傾くほど行ったことでその筋では有名。最も大きな援助は、ワーグナーが、自分の楽劇をベストな環境で演奏するために作った「バイロイト祝祭劇場」ですね。さて、そんなワーグナーファン、いやワーグナーオタク兼、築城フェチのルードヴィッヒ2世が、自分の理想の集大成として作り上げたノイスヴァンシュタイン城とは、どういうお城か。
一言で言えば「偏執的なまでに作りこまれたワーグナー空間」これにつきます。
まず、場所。シュヴァンガウは、白鳥伝説、即ち楽劇「ローエングリン」ゆかりの地です。城内には、「ローエングリン」「トリスタンとイゾルデ」「パルジファル」などの巨大な絵画やコスプレ的な諸々。
「マイスタージンガー」を強烈に意識した晩餐会場、「タンホイザー」のヴェーヌスベルクを再現した洞窟。洞窟ですよ洞窟。城の中に。
撮影禁止でしたので写真が無いのが残念ですが、まぁよくぞここまでと。
さてこんな城を建てたルードヴィッヒ2世ですが若い頃はそりゃイケメンだったそうです。で、奥さんになるはずの女性ゾフィー。これも超美人。王様と王女でイケメン美女なんて死ねばいいと思いますが、しかし、このルードヴィッヒ、ガチのホモだったそうで。ゾフィーと別れワーグナーの作り出す楽劇の世界にはまりこみます。またどうにも心を病むようになり、ひきこもり化。最後は禁治産者扱いされ廃位に追い込まれ、更に湖畔で散歩中死亡するという不思議な最期を遂げました。
いずれにせよ、国を傾かせるほど金をつぎ込んで当時の人々には恐らく迷惑だったとは思いますが、その妄執が、ここまで美しい城を作り上げ、今この時代にも受け継がれ地元を世界的な観光地にした訳ですから、ある意味で先見の明があるのかも…と思いきや、遺言で「自分の死後は潰せ」と言ったそうですから
…まぁ、何というか。ええ。残念。
さて、城を出まして坂を下り免税店に入りますが、やはりブランド物がよく分からない我々はただ時間を潰すに終始して集合時間を迎えます。
バスに乗って来た道を戻り、向かう先はヴィース教会です。
ヴィース教会。残念ながら、私はこの教会がどういう謂れで、歴史的にどういう立ち位置にあるかサッパリ分かりません。
サッパリ分かりませんが、シンプルな外観
とは裏腹に
内装はすさまじいです。キレイな教会です。ドイツ田舎ツアーの案内では、必ずこの教会の内装写真が載りますので見かけられた方も多いと思いますがまぁ実物もそりゃキレイでした。
あと、教会の向かいの土産物屋さんには
こんな看板猫が居ました。物凄く気位が高そうな猫。一度もカメラ目線をくれませんでしたね。
買い物しないとダメなようです。プロの看板猫に違いありません。
…というわけで、上限の5枚を迎えてしまいました。
夜のミュンヘンの話はまた今度。