間が開いてしまいましたが、ニュータイヤPOTENZA S001の話の続きです。前回は変えたその日、みぞれ混じりの雨の高速での乗り味(?)の話でしたが、距離も少し伸びましたので、その後の印象でも書いてみたいと思います。
前回は高いコンフォート性と、少し掴みにくいステアフィールという話でしたが、その後どうか?
まず峠道
うちの近くの峠道と言うと、箕面の大滝から山間部を勝尾寺に向かう道があります。ただし観光地且つ九十九折なのでそうそう飛ばせません。3速には入らない。そんな道ですが、ただそれでもこれまでのタイヤとは全く違います。ステアフィールが掴みにくいと以前は書きましたが、きっちり曲げていくと明確に反応が返ってきます。フロントの食いつきが凄い。RRであることを一瞬忘れます。まるでFRに乗ってるかのようなグリップ。
しかしそれより凄いのは、コーナー出口でトラクションを掛けた時です。これまでタイトコーナーからの脱出でアクセルを踏むのは、相応の繊細さが必要でした。常にトラクションが抜ける恐怖との隣り合わせ。しかし
このタイヤは違います。リアを抜くなど不可能と思えるほどの強烈なグリップ。まるで超高精度のトラクションコントロールを実装したかのようなフールプルーフ。アスファルトにへばりついて蹴り飛ばしコーナーを脱出します。速い。間違いなく速いですが、車よりタイヤが速い。これまで不可能だったレベルのトラクションが掛かってフル加速しているのに、タイヤの余裕がありありと感じられ、もっとパワーが欲しくなり歯がゆくなります。
このタイヤは逆の意味で危ないタイヤです。私は生まれて初めて、自分の運転で酔いかけました。そんなレベル。
引き続いて高速
場所はいつもの超高速ワインディング。ここでも異常なハイグリップは健在です。普通に走っていて今までの10kmプラス。余裕を持ってもう一踏みして更に10kmプラス。以前は3速のトップエンドまででしたが、4速パワーバンド域でも、RRの作法どおりのコーナリング(アクセルを使ってのコーナリング)が、ここまで思った通りに気持ちよく且つ絶対の安心感を持って行えるのは凄いです。また超高速域でのスタビリティも一切不安ありません。まぁ大台は出してないのでそこから上は不明ですが。
というわけで、私的には全く文句がないタイヤですが、確かに、中途半端な運転をしていると微妙な印象を受ける可能性があります。きっちりトラクションや荷重をかけて初めて絶大なパフォーマンスを発揮する。そんなタイヤ。
では、どうしてそういう味付けなのか?実はこのタイヤ、例えば新型AMGのS63だとかアストンだとか、そーゆー超重量級、超ハイパワー車の標準タイヤなんですよね。そりゃカレラ号みたいなライトウェイトスポーツ(ベンツ比)だと、そのような印象になるのも頷けます。
2トンの車重に600馬力。そういうタイヤだと思って扱えば、このタイヤのあるべき使い方が見えるのではないでしょうか。
まぁ何にせよ。20年前の車をこうも簡単に現代の車に変身させてしまう。21世紀の技術は本当に凄いですね。