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またまた

クラシックのお話です。
色々聴いてきまして、クラシックの指揮者とオーケストラの関係を例えるにどんな物が一番分かりやすいかと思いあぐねていたんですが、こんな例えを思い浮かべました。

F1です。

…えーもうなんつーか、無理矢理の感を受けられるかもしれませんが
ちょっと待ってください。もうちょっと聞いて(読んで)ください。

まず曲です。曲をF1に当てはめるとサーキットです。
次、オーケストラがチーム(マシン)に相当し
そして指揮者が、ドライバーです。

これね、結構当てはまると思うんですよ。
例えば、鈴鹿というコースを同じフェラーリで走っても、顎と蛙じゃ全然違ったでしょ?
モーツァルトを同じウィーンフィルで演奏しても、ワルターとカラヤンじゃ全然違うわけですよ。

どうでしょう。結構あってると思いませんか。思いませんか。そうですか。

…とまぁなんでこんなことを唐突に言い出したかといいますと
ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィルによるチャイコフスキーの交響曲4,5,6を買いまして聞いたらもうぶっ飛んだわけですよ。
ベーム・ロンドン響なんて霞むどころじゃありません、比較にならない。
次元が違います。

私は、基本的にテンポの速い演奏は好きじゃないんです。ボレロもそうですし、ベートーヴェンの7番にしてもクレンペラーを推すのはあのゆったりとして且つ密度の濃い演奏だからなのですが、しかし。

ムラヴィンスキーの指揮は超高速です。
テンポの速い演奏は往々にして音が軽くなり聞けたもんじゃないんですが、この人の指揮は違う。ありえない速度でありえない高密度の演奏をします。凄まじい迫力と切れ味と緊張感。
レニングラード・フィルの超絶アンサンブルには驚愕する以外にありません。
そしてそんなオケを作り上げたムラヴィンスキーという指揮者。恐ろしい。

…そんな演奏を聴いて、思い浮かんだのがF1のオンボード映像です。

あの鈴鹿の1コーナーに、S字に、130Rに、あの速度で突っ込む有り得ないドライビング技術、マシン性能。それとだぶります。
まるでセナの予選のようなぎりぎりまで張り詰めたあの緊張感。

あぁF1に似てると。

ただ惜しむらくは、この人、ソ連の人でして良好な音源が殆ど残されていないんですね。件の4,5,6はロンドンとウィーンに乗り込んでやったもので、それ故に高音質で残されていたわけですが、他の演奏、特に評価の高いドイツ系やショスタの演奏は国内盤で良いのは殆どない。残念無念。世界的な損失。
と思いながら、HMVのサイトを見てると輸入盤があるじゃないですか。ベートーヴェンとショスタ。というわけでまたまたお買い上げ。
ついでにフルトヴェングラーの戦中録音集もお買い上げ。

……来月のアマゾンとその他諸々からの請求は一体幾らになるんだろう。

…ま、まぁいいやこれはホントに一生物だから。と自分を誤魔化してみる。

最後に教訓

やっぱり買う前には下調べしましょう。
まずは名演名盤。これ絶対。あと少々の金額差を惜しまない。

……と、言いながらも実は、平凡な演奏にも面白みがあるんですが、その話はまた今度。

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