友人と飯を食べた時「文章を書くということ」がネタになりました。
話を聞いていると、彼が言うには「短い文章は書けるが長い文章は苦手」ということです。なかなか興味深いと思いました。
長い文章とはどの程度の分量でしょうか。2000?4000?それとも20000字?昔懐かしい原稿用紙に換算すればそれぞれ5枚、10枚、50枚ということになります。原稿用紙5枚は小学生の作文レベルの量。でも10枚はかなり長いか。そんな気がしますね。
では何故「長い文章は書けない」ということになるのでしょうか。
文章を書くということは、つまり何事かについてまず説明を行いそこに自分の考えや主張を織り込むということです。自分の考えや主張が難しい内容であれば小難しい文章になりますし、笑い話なら、笑い話になります。
長い文章を書くのが難しいと言われる所以は、書いている途中で自分の論旨が不明確になり何を書いているのか自分でもよく分からなくなるからではないでしょうか。そんな文章は書く方も苦痛ですし、読む方は災難でしょう。じゃあ短い文章の方が楽なのか?
そんなこともありません。短い文章ほど、洗練が必要になります。
10も20も話したい内容があったとして、それを5にまとめきるには、内容の取捨選択、説明の簡素化、表現の適切化が不可欠です。つまり短くても深い文章を書くには相当の文章力が必要となります。
…となれば、じゃあ長い文章の方が楽なのか?
ある程度書き慣れた人間にとって、長い文章を書くことは容易な事です。10も20も話したい内容があれば、それをそのまま10や20書けばイヤでも長くなります。論旨を押さえさえすれば、長い文章を書くのは難しくも何ともありません。
しかし。ここで重要なのは「書くこと」は簡単でも「読ませること」は容易ではない、ということです。
長い文章を読む場合、当然読み手は集中力を要求されます。自分が興味有る分野に関しては集中力を持続するのは容易ですが、そうでない分野に対して集中力を持続できる奇特な人はそうそういません。
じゃあ自分が書く文章の内容は万人に対して集中力を持たせるに足る分野と内容か?んなわけはありません。それじゃあどうするか?短い文章を書く時の洗練を、長い文章でも同じレベルで行う事が必要になります。これが容易ではありません。
要約しましょう。
1、自分の考えを適切にまとめるという意味において短文は難しい。
2、自分の考えをそのまま述べるという意味において長文は容易。
3、興味の無い読者の目をも釘付けにするような長文は、至難。
私は無論のことながら1と3を心がけておりますが、しみじみ文章を書くって大変ですね。それをかれこれ6年か。暇以外の何物でもない。しかもほぼ全て職場で書いてるってどうよ?いやでも文章を書くというのは仕事にも大いに役立つわけでして、じゃあどう役立つかはまた次回。