コアサーバーV2プランご契約でドメイン更新費用が永久無料

記事一覧

スポーツカー談義=最終章=

長々続けて参りましたが、まぁ要するに
車を取り巻く様々なモノは、何から何までどうにもこうにも、本質を、理想を捻じ曲げる方向に強大な力を発すると。
そしてそれは結局全部「商売のため」ですね。
無論、それは間違っていません。全く間違ってない。利益を上げることが大命題な企業活動にとってそれは全面的に正しい。
しかし目的は同じでも、その方法論には大きな違いが生まれます。
商売の為、利益の為、その絶対的な目標を叶える為に、どういう道筋を辿るのか?

・マーケティングによりニーズを集め、それを反映した車を徹底的に無駄を廃して作る。

トヨタのお家芸ですね。一番合理的で効率的で利益が出せます。ベンツはそこに向かってますが、まだまだヘタなんで七転八倒してる最中です。

・自分達が理想とする形を主張する。マーケティングはあくまで補完材料。

BMWがその筆頭ですね。万人には売れません。ただし、付加価値で売る考え方ですから利益率は高いです。昔のベンツもこれでした。

前者には徹底的なマーケティングとその正確な分析と商品開発能力が必要です。まさしくトヨタの十八番。
後者には「誰もが認める突き抜けた何か」が必要です。
BMWにはありますね。マツダにもその素養は十分あります。ポルシェにもフェラーリにもそれは勿論あります。

…本当は、車の開発に携わる人たちには、理想があると思うんです。
「俺が作りたいのはこんな車だ!」そんなむさ苦しく暑苦しい思いが。
しかし、現実はそうはいかない。全くいかない。
エンジニアの人たちに求められるのは
「理想と現実のバランスポイントを何処で取るか?」
その命題の解でしょう。

コストという現実を優先し、より利益を出せる開発をする。正解でしょう。

今のバランスポイントを、自分達の理想に近づけるために、もう一つ高いレベルでバランスさせるために、血ヘド吐くような努力を、苦悩をする。
正解ですね。

どちらも正解です。どちらも間違ってません。しかし
私が、どちらをより高く評価するか。言うまでもありません。

これからの先、どんどん条件は厳しくなっていきます。
衝突安全性、環境性能、更に最大の問題であるガソリンその物の枯渇。
もっともっと条件が厳しくなり、もっともっと理想を貫くのが難しくなる。
理想は置いて市場原理を貫かないと、立ち行かなくなるかもしれません。

私は、祈らずにいられません。
エンジニアが、デザイナーが、ライン工が、町工場のおっちゃんが、内職のオバちゃん達が、嘗て、全知全能を注いでオイルショックをぶち破ったように、相次ぐ排ガス規制を乗り越えたように。
今後立ち塞がる無数の困難をぶち破ってくれることを。
理想を貫き通してくれることを。
そして私達の前に、また素晴らしい車を生み出してくれる事を。

理想を叶えようとする人々に
そんな車作りに携わる全ての人々に

どうか、クルマの神様のご加護がありますように。

コメント一覧