特にないので、仕方ないのでミサイルの話でも。
色々騒がれたものの、全て想定の範囲内の事でしたが
ただ、どうにも気になったのが一つ。
「飛翔体」
って何ですか?
私はかれこれ30年近く生きてきましたが、弾道ミサイルを「飛翔体」と呼ぶなんてついぞ知りませんでした。
弾頭に搭載されている物が、人工衛星ならロケット、兵器ならミサイルとなるので、搭載物が不明な間は呼称を断定できないから「Flying Object」を日本語訳して「飛翔体」にしようと。恐らくは外務省筋のあっち寄りの連中に「配慮」した結果の政府としての呼称なんでしょうが、大変胸糞悪いです。
中身がUnknownなんですからいっそのこと「UFO」とでも呼べば良かったのに。そっちの方がまだ笑える。
これに限らず、日本って、どうにも物事を曖昧にするのが好きですよね。
浮浪者をホームレスと呼んだり、売春を援助交際と呼んだり、職安をハロワと呼ぶのと同じ発想です。
呼び方の問題でいちいち目くじら立てるなと思われるかもしれませんが、これは意外に大きな問題です。
何故ならば人間は基本的に、曖昧なモノに対して、明確な問題意識と危機感を持つことなど出来ないからです。
しかもそれに追加して、これも日本人の戦時中からの伝統ですが
「こうなって欲しくない」「ここまで酷くはならないだろう」
という希望的観測や願望でもって、戦略を策定し危機管理を行うから手に負えません。
曖昧な危機感と希望的観測による危機管理。
恐るべき楽天家気質が日本人特有の性癖です。
旧日本軍がその筆頭ですが、現代でも不祥事を起こした企業の対応を見ていると全く同じ姿がありますよね。
勿論、今の政府の諸々も同じです。
正直私が今回のミサイル騒動で密かに期待したのは、いっそのこと、欠片でもブースターでも本体でも何でもいいから日本に着弾することでした。大変不謹慎ではありますが、期待しました。
そうなれば流石に、この平和ボケの極限にある日本も、世界標準並の危機感が持てるだろうと。
憲法9条があればミサイルを防げるとか訳の分からないことを言う連中も流石に黙るだろうと。
誤探知で迎撃ミサイルを撃ったら先制攻撃になるとか、頭がおかしい事を言う議員(※)も黙るだろうと。
仮にそうなったら、どうするのか。パトリオットでの迎撃も適わず、日本にミサイルが着弾したらどうするのか?
まず「“遺憾の意”砲」をぶっ放すでしょうが、その後に、どうするのか?
反撃するのか?アメリカに代理戦争をしてもらうのか?してくれるのか?
その延長として、北朝鮮と戦争状態になった時に、どうするのか?
色々と問題は考えられますが
最悪のシナリオは、北朝鮮から核弾頭を積んだミサイルが日本に撃たれ、その迎撃に失敗し、且つアメリカが北朝鮮に対して反撃の核ミサイルを撃たず、参戦もしない場合です。
それを想定して、全ての対策は始めないといけない。危機管理とは最悪を想定したものでなければなりません。
そんな当たり前の事に対しても「軍拡だ」「過剰反応だ」と喚く馬鹿どもを根こそぎ黙らせるには一発食らうしかないと。そう思ってました。
しかし、残念ながら、と言うべきでしょうか。何も起こらず、自称人工衛星は無事燃え尽きるか太平洋の藻屑となりました。
てか人工衛星乗ってたのかホントに?
…何と言いますか、あの戦争の後、日本はそれまでの軍国主義、帝国主義から脱し、自由主義、民主主義の国になったと言われてますが、基本的な部分、根本的な部分で、全く変化していないように思えて仕方ありません。
ただ単に、ベクトルが違うだけで、本質的には何も変わっていない。政府の体質もマスコミの体質も勿論国民全体もそうです。
300万人もの尊い犠牲を払って尚改まらなかった日本人のこの救い難い気質は、一体どうすれば改善されるのでしょうか。
今回の騒ぎはたった一発で夜も眠れずといった風情でしたが、やはり江戸の昔もそうですが、外からの脅威しかないのでしょうか。
賢者は歴史に、愚者は経験に学ぶという言葉があります。自ら経験した大失敗に学ぶことすらできず、今尚、外敵にそれを求めるというのは、愚者にも劣る話ですが、それでも改めないよりはマシでしょう。
今までの数々の北のミサイル騒ぎ同様に、喉もと過ぎればで忘れ去られる事がないよう心から祈ります。
※社民党のおばちゃんの発言。大変残念ながらパトリオット3は北朝鮮まで飛んだりしませんので先制攻撃になど物理的になるはずがありません。あんな馬鹿でも国会議員、しかも一党の党首が務まるんですね。
平和って素晴らしいです。
s 2009年04月09日(木)22時58分 編集・削除
つーかどこの世界に正確に「危険区域内に」「失敗して」着水する人工衛星ロケットがあるんだか。
とりあえず勇午横須賀編を読むんだな。丸の内プロジェクト!
と言ってみる。