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受胎告知

といえばフラ・アンジェリコを思い浮かべますが、そうではありません。
東京の国立博物館でダ・ヴィンチの受胎告知が公開されているということで、前々から行きたかったのですが、ようやく昨日行ってきました。

ド平日の真昼間だというのに大変な人。お前ら仕事しろと思いながら博物館へ。
さて実物を見まして。
何と言うか。確かに凄いんですが、どう表現したらいいんでしょう。
絵から感じるのは宗教的法悦というより、作者の妄執というほうが近いかもしれません。キリスト教になんの帰依もしていない私が言うのもなんですがね。
確かにデッサン力やら巧みな遠近法やら細部の描写やら筆の力強さやらは
凄まじいモノがありますが、なんか、こう、アレなんですよ(意味不明)
たぶんダ・ヴィンチって周りからしたらはた迷惑な人だったんじゃなかろうかとそういう感じ。(暴言)
ま、天才で人徳者なんてまず聞きませんから、そんなもんでしょう。

さてその他ダ・ヴィンチに関る諸々の展示物を眺めた後は
国立博物館所蔵のその他諸々をじっくり鑑賞してみました。
縄文から明治に至る日本の芸術の流れを一望できるわけですが、今回しみじみ思ったのは、どうやら私は
美を追求した美より、技を極めた先にある美のほうに心を動かされるようです。
美術品の美より工芸品の美を好むとも言う。
特に今回一番心惹かれたのは日本刀です。
様々な太刀やら刀やらが展示されてましたが、上杉家がどこぞの寺に寄贈したとかいう太刀(国宝)の凄さたるやもうあんた。
何なのでしょうあの迫力あの緊張感そしてあの美しさ。
美しいなんてもんじゃありません。極限まで磨き上げられた切っ先、その一点から派生する曲線の美。究極的に美しい曲線なのに、そこには微塵も弛緩はありません。いやあの緊張感があるからあの曲線美が生まれるのか。
もう既存の形容詞では表現できません。とにかく凄い。美しい。一振りくれ(ぉ
大変感動しました、あの刀だけを10分くらいは見てたでしょうか。ハタから見たらただの変人。

その他、小早川秀秋の陣羽織に感動し、その他漆器の美しさに驚嘆し、埴輪の間の抜けた顔に笑いました。いやいやこれで1500円とは大満足です。

というわけで大変お腹いっぱいな博物館巡りでしたが、もう一言暴言を。

フィギュアは仏像の正当な後継者。

…なんという罰当たり。いやでもだって十二神将像なんて、もうもろにフィギュアのノリですよ。あのポージングやら12体コンプリートして初めて構図が完成するあたりも、もうオタ臭が(黙れ

仏像に限らず日本の美術品って、西洋のそれとは全く違って何というかオタですね。感動させるポイントがオタ臭い。
それも平安やら奈良どころか古墳時代か弥生くらいからその兆候が見られます。何と言うか、日本人のオタ属性はかれこれ2000年近く続くものなんだとしみじみ感じました。
実は黒歴史こそ日本史の本道だという驚愕の事実。
そりゃ脱・ダメ人生にてこずるわけですね(違

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