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スポーツカー談義、その1

「日本車の中で、いいスポーツカーはないか?」と、たまに職場で聞かれます。その質問を受けるたびに、私は「マツダ・ロードスター」だと答えるのですが、どうも相手は釈然としない様子。
何故か。
恐らく私の考える「スポーツカー」と
普通の人が考える「スポーツカー」との間にギャップがあるようです。

じゃあそもそもスポーツカーとは何か。端的に言えば

「カッコよく、運動性能の高い車」

だと思います。
具体的に見ていきましょう。まず「カッコイイ姿」を作ろうと思うとどうなるか。「幅広く」「鼻が長く」「車高が低い」車。こうすればある程度カッコよくなります。
そしてこの「カッコいい車」の運動性能を高めていきます。
そこで止めておけば「格好」と「運動性」だけを貫けば、いいスポーツカーはできます。しかし、人間は車に色々な事を求めます。衝突安全性や環境性能など、社会的に求められて然るべき物や、居住性や乗り心地などの快適性ですね。
さて、幅広く、鼻が長く、車高が低いのに、衝突安全性も居住性や乗り心地も叶えようとすると、車はデカくならざるを得ません。
車がデカくなると、当然車は重くなります。
じゃあクソ重たい車の運動性能を高めようとすればどうなるか。
ハイパワーエンジンを載せてみる。確かに。ただハイパワーエンジンはそれ自体重いです。燃費も悪いです。
自重重くエンジン更に重くスピードだけはバカほど出る。そんな物体の慣性はそりゃもうトンでもなくデカくなります。そんなモノを止めようとするとでかいブレーキが要ります。そんなモノを曲げようとすると高性能タイヤと、諸々の電子制御が要ります。ますます重くなる。
で、そーゆー諸々をつぎ込むと、当然価格も高くなります。どーしたもんでしょう。

つまりですね。
要求される諸々の事案が、全て矛盾するわけですから、結果的に歪な形になるわけですね。だから一般的な世の中のスポーツカーは、でかい車体、でかいエンジン、これでもかという電子制御、バカみたいな太いタイヤ、全部ごちゃ混ぜに組み合わせる、そういうことになります。

例えば日産のZ。
全長4315×全幅1815×全高1315
3500ccのエンジン。重さは1490kg
お値段330万

いい車です。いい車ですけど…全幅なんて私のアルピナ号より大きい。
重さも同じ。BMW5シリーズと同じかそれ以上ってどうですか。

更にフェラーリの最新V8スポーツカーF430
全長4512×全幅1923×全高1214
4300ccのエンジン、重さは1450kg
お値段2200万

…もうなんつーか巨大ですね。巨体ですね。巨躯ですね。大艦巨砲主義ここに極まれり

一方マツダ・ロードスター
全長3995×全幅1720×全高1245
1998ccのエンジン。重さは1100kg
お値段240万

小さい!!軽い!!安い!!素晴らしい!!

一般的な「スポーツカー=ハイパワーエンジン」という思い込みは
ハイパワーエンジンを載せざるを得ない、超重い基本設計からくる、言うなれば妥協の産物です。運動性能に対して「小ささ」「軽さ」は最大の武器です。
車の基本を小さく軽く作れば、そもそもでかいエンジンなんて必要ない。電子制御なんて必要ないんです。
でかい車をそれなりに走らせようとするからエンジンでかくなり車重くなり…というドツボにはまるわけですよ。
だから小さく軽く仕上げるロードスターのような車は本当に合理的で理性的で素晴らしい車なんです。だから私は
「日本一のスポーツカーは?」
と問われれば「ロードスター」だと答えるわけです。

しかし世の中そうはならない。
その問題の大本には「スポーツカー」と「GTカー」の混同があるように思います。「GTカー」とはそもそも、移動距離の長いヨーロッパにおいて、富裕層の人々の「早く快適に移動したい」というニーズをスポーツカーに付加したことから生まれた車です。
例えば「ベントレー・『コンチネンタル』」名前からしてそうですよね。
必然的に車はでかくなりますし、でかいエンジン乗りますね。あと豪華になります。

そんな時代から約7、80年。現代のスポーツカー的な車に求められるのは、上記した格好、居住性、快適性、その他諸々有象無象です。
大昔と同じように、スポーツカーに色々と厚着させようとしているわけです。結果、でかく重くなる。
評価軸もそうです。600馬力だとか300kmだとか直線番長ばっかり作り上げる。

多くのスポーツカーは、売る為にマーケティング結果を盛り込み、装備満載して結果重くなるという、自縄自縛というか、自分の存在意義を自ら否定するような姿になってしまっているわけでして。
私はそーゆーのが釈然としないのです。
だから、何がなんでも「軽さ」「小ささ」という「基本」を貫くロードスターやS2000のような気合と根性と魂こもった車を応援してやみません。

頑張れ日本のリアルスポーツ。負けるな世界の小型スポーツカー。本当に心の底からそう思います。

※因みにS2000(4135×1750×1285の1240kg)も確かに素晴らしいです。ホンダの男っぷり溢れる超高回転ユニット、剛性高めるための男気溢れる思索の数々など素晴らしい車ですが、素人が乗るには余りに難しい車ですので私は普通の人にはお勧めしてません。(間違いなく私も乗りこなせない。)
ホンダさんちはNSXもそうですが行き過ぎるキライがありますねぇそこがいいんですが(ぉ

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s 2006年07月28日(金)23時40分 編集・削除

>ろーどすたー?
じゃあなたの考えるスポーツカーってなんなんじゃい?
と素朴に疑問に思うんだが。一般の人にとってスポーツカーってどんなんだろう。

ちなみに私にとってのスポーツカーはスポーツするカーなので、お金があるならインプレッサWRXタイプRAスペックCお金が無いならブーンX4。改造費を浮かせたいならヴィッツRSTRDレーシングなんですが何か?

永富潤 2006年07月29日(土)00時43分 編集・削除

スポーツカー。私の世代ではスーパーカー。

その定義をどう捉えるか
事あるごとに論議されてますが
未だに結論は出てません。
と言うか、出るものではないでしょう。
何故なら
「スポーツカーとは何か」
という問いは“命題”ではないから。

近年多様性という言葉で色々な価値観を容認する
考え方が持て囃されてきています。
そこらへんの風潮に乗っかれば
「その人がスポーツカーと思えば
それがスポーツカー」。
万人に当てはまる答えなどあるはずも無く、
「いいスポーツカーとは?」との問いに答えるには
「私にとっては~」という前置きが必ず必要でしょう。

どんなにヘタレとそしられようと
「マクラーレンSLRこそが俺の望んだ(以下略)」
という人が居れば、それはその人にとって
唯一無二の答えなのです。
「俺の求めるスポーツカーは
過去から現在に至るまで未だ存在せず」
という人も居るでしょう。
「マニュアルミッションなら
俺にとってはもうそれで十分スポーツカー」
という人も居るでしょう。

そのいずれもが正解。

おそらく「いいスポーツカーとは?」という
質問をする人たちは既に心の中で
自分なりの“いいスポーツカー”を思い描いており、
その名前を返されることで安心したいという
ことなんだと思いますね。
逆に思い描いた車と違う答えが返ってきた時は
残念だとか自分の感性がズレてるのだろうかとか
不安になってそれが“釈然としない”ふうな
態度に出てしまうのかと。

私(永富)にとっていいスポーツカーとは?
「知りません。
だってスポーツドライビングやらない私に
スポーツカーの良し悪しなんて
判りようも無いから」。

c 2006年07月29日(土)08時45分 編集・削除

>>s

スポーツカーはレーシングカーじゃないから
冒頭にあるように「カッコよく、運動性能の高い車」だなぁ
あと「公道をちゃんと走れること」か。運動性能ってのもドーピングじゃなく素でね。
だから日本車ならロードスター、世界を見ればエリーゼか。エクシージは「公道~」を
考えるとギリギリ、340Rなんかは外れる。密かに新しいヨーロッパに注目。
でもブサイクなんだよなぁ(ぉ
>スポーツするカー
スポーツってかレースだな。でもレースはそもそも「スポーツ」か。ぬぅ難しい。

>>永富さん
いやもう2chでも繰り広げられる泥沼の論争ですよね。見てませんが。
スポーツカーとは何ぞや。物凄く難しいですね。レーシングカーやスポーティカー
GTカーなどは明確にその成り立ちから区分けできますが、スポーツカーの範囲は
本当に人それぞれ。広義と狭義で無理矢理分けるくらいでしょうか。
まぁ私もスポーツカー談義とは銘打ってますが、ここでその定義を決めようとしてる
わけでは決して無いです。んなもん無理ですしね(^^;
「その1」とありますが、この談義は「その3」まで続きます。もう出来てます(爆
(3が長いので半分にわって4まで伸ばそうかとも思ってます)
結局は車作り全般の話にまとまってますが、よければお付き合いください。

永富潤 2006年07月29日(土)09時35分 編集・削除

>「その3」まで続きます
canonさん視点での
「こういう車が好きなんだ」論とお見受けします。
続きも楽しみにしとります。

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