に従いましてGT-Rのお話
なんか日産GT-Rとポルシェがニュルのタイムを巡って揉めてるとか。
http://response.jp/issue/2008/1010/article114840_1.html
しっかしニュルのタイムなんて、どこの車もドーピングしてて当たり前なのに(特に酷いのはフェラーリです。599や612みたいなクソ重いV12のFRのGTカーが8分切るわけねぇしw)
わざわざ名指しで、あのポルシェが難癖つけたことが凄い。33Rの時もありましたが、あの時とはレベルが違います。
つまり要するに、GT-Rはもう完璧にポルシェターボ(しかもGT2)と対等な車かそれ以上だと、そういうことでしょう。
ポルシェ必死だなw
まぁしかしこないだも書きましたが、GT-Rの速さは、私なんかでも色々その理由が分かりますが、ポルシェのそれは分かりません。GT2ってのはRR。ただの後輪駆動、2駆ですよ?しかもドライバーエイドの電制無し。
そんなキチガイみたいな車が、ニュルで7分30秒とか。もう全然意味が分からない。
2600万円っていう値段も意味が分からない。
分からないのでポルシェの話は置きます。
GT-Rの話。
私も色々GT-Rに関する本を読みましたが、あの車は、半端じゃなく手間がかかってます。正直有り得ないです。
エンジンは言うに及ばず、愛知機械のトランスアクスルDSGも、IHIの敢えて非等長としたエキマニも、ヨロズのサブフレームも、ユニプレスの燃料タンクも、ビルシュタインも、ブレンボも、全部が全部
通常の量販車とは全く次元が違う作られ方をしてます。
あれに並ぶのは、日本車ではトヨタのセンチュリーだけでしょう。
レクサスの作りでさえもGT-Rと比較すればクソです。
つまり、世の中の99・99%の車と比較して、全く比較にならないほど隔絶した作られ方をしてます。
そんな車がたったの800万。
有り得ない。8の左横に1が付いていても全くおかしくない。そんなレベル。
しかし製造過程を追った物を色々見ていると、何故そんな「有り得ない」ことが実現できたのか、なんとなく分かります。
誤解を恐れず一言で言うと
誰一人、この車で儲けようと思ってない。
ってことでしょうか。
「GT-Rを作る」ということが、設計者に通常では有り得ない図面を引かせ、サプライヤーに通常では有り得ないパーツを納入させ、熟練工に通常では有り得ない物を組ませ、ライン工に通常では有り得ない仕事をさせてしまう。
その昔の湾岸ミッドナイトで、チューニング屋の親父がいいこと言ってます。
多くの日本人は自分をギセイにしてでも仕事に取り組む。そんなことは諸外国では有り得ないとの指摘に対して―
―優れてて信頼性があってそしてコストも抑えられている
人件費もけして安くない日本でなぜ今でもソレができるのか?
つまり、それがギセイですヨ
いい仕事をサプライできる側でありたい
ただ ただそれだけですヨ
ギセイはあってあたり前
それをギセイとおもわない心なんですヨ
世界中ドコに出しても恥ずかしくナイと思ってるんです
…流石。ACEの後藤はいい事言う。
まぁでもこの調子で全ての車を作ってると、あっという間にGMになっちゃいますから絶対駄目です。
ただ、恐らく、GT-Rに携わってる人たちは、程度の差こそあれ、こういう気持ちじゃないでしょうか。
インタビューを読んでると、開発主査水野さんを筆頭に、各種サプライヤー、職人達、その全員からある種、誇りのような物が感じられます。
つまり何が凄いって、「GT-R」という車が、人々にそう思わせる力を持った車だってことです。
「ブランド」と言い換えてもいいかもしれません。
たぶん、日本の車で、そう思わせる事ができるものって、他に無いでしょう。REくらいか。
それが、凄い。
まぁとは言え勿論、経営ってのはボランティアじゃありません。
GT-Rっていう看板。ブランドを輝かせれば輝かせるほど、その広告的価値が高まりますからね。
GT-Rで儲けが殆どなかったとしても、それがブランドとなり神話になれば、その恩恵を日産もサプライヤーも受けます「GT-Rのパーツ作ってる」ってのが宣伝文句に繋がるわけですから。
或いは、そこで働く職人のモチベーションにも繋がります。GT-Rに携わる職人は、選ばれた方々ですからね。
俺もそうなりたいって思わせることができれば、職人全体のレベルの向上にも繋がるでしょう。
そういう意味において、F1に参戦して湯水のごとく無駄金使うこと考えればよっぽど効率がいいとも言えますし、長い目で見てちゃんと儲けに繋がってるわけですが、でもなんかそんなこんなの云々よりも何よりも、車に掛ける暑苦しいくもムサ苦しい思い、心意気みたいなものが感じられる、数少ない日本車であることは間違いありません。
実際、高速を走るGT-Rのあのえもいわれぬ迫力。
正直、不恰好で、お世辞にも美しいとは言えない、奇妙なカタチをしてますが、しかし車が発するあの問答無用のオーラ。
どう見てもタダモノではない雰囲気が漲ってるあの機械。
凄いとしか言いようがありません。
本当日本人ってドイツ人と並ぶ変態だなぁとあの車を見るとしみじみ思います。
その登場から現代に至るまで「走るための車」は何だかんだ言っても、ポルシェが一番でした。
しかし、21世紀、本当にポルシェ相手にガチの真っ向勝負を挑み、そして勝てる車が、なんと日本から生まれたわけです。
何とも嬉しい話です。個人的にはノーベル賞よりも凄いと思います。ノーベル走り車賞とかあったら絶対取れるwww
ここの日記で取り上げるたびに絶賛のGT-Rですが、色々知れば知るほど褒めるしかありません。
正直、欲しいです。
でも800万はどうひっくり返っても無理。最近よくある「据え置き型ローン」とかやってくれないでしょうか。
それがあれば、明日にでも日産のディーラーに行くのになぁ
というわけでお願いゴーンさんなんとかしてw