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勤め先が

千葉から横浜に変わり、往復で2時間少々の時間が生まれるようになりました。というわけで、新宿に通っていた時代と同じように、車内読書の時間が取れるようになりまして、私としては大変有難いわけでございます。
で、久方ぶりにというか、数年ぶりと言ってもいいくらい、素晴らしく刺激のある本に出会いました。

「Web進化論」

です。
どういう本かと言いますと、皆さんご存知の「google」という会社を手掛かりに、今起こっているネットの革新と今後の方向性が書かれた物です。
これが面白い。今までなら空想の世界の話だったことが、本当にリアリティを持って実現可能性の高い夢として描かれています。例えば、ネットが齎す全世界的な富の再分配や、従来の「権威」を突き崩す、真の意味での「価値ある」情報整備などなど。読んでいて純粋にワクワクするような、そして同時に様々な思索の契機になるような、素晴らしい内容です。是非皆様ご一読ください。ここを読んでいる皆さんなら絶対に面白いと思えるはずです。

…さて私は今「面白いと思えるはず」という、上から見たような書き方をしました。何故か。
この本を読んでも「面白い」と思えない人間も確実に居るからです。じゃあどういう人たちがそう思えないのか。それは単にネットを利用しない人、ではなく、ネットを忌避する人々、更に言えば、既存の表現に携わる人々の中で且つ既得権益にあやかっている人々、です。

ネットの広がりにより、多くの人間が「表現」の手段を持ちました。まぁその多くは取るに足りないものですが、何せネットは参加者が無限に等しいほど莫大です。つまり面白いもの、価値あるものが1/100の割合しかなかったとしても、100万も1000万も分母があるのですから、とんでもないことになるわけです。しかも、今googleを筆頭とする検索システムの精度の向上は日進月歩ならぬ秒進分歩。途方もない速度で成長します。結果、面白いもの価値あるものが、簡単に検索でき、手に入れることができるということになります。そして、最も重要な事は、その価値ある情報がネットでは「無料」だということです。…これは既存メディアには恐怖でしょう。
ネットの情報など 素人の書く物だ、というタカのくくり方もあるでしょうが、じゃあプロの物書きの果たしてどの程度が、膨大な数居る「素人物書き全員」を凌駕できると胸を張れるでしょうか??
編集者の「価値ある情報を整理しパッケージングを行う」という作業も、それがネットの検索システムに凌駕される日はそう遠くありません。
今後、「情報の世界」に大変革が訪れます。確実に。…ワクワクしますね。
今のこのクズの様な情報が散乱する状況が、一変するかも、否、するわけですよ。既得権益や権力構造、その他有形無形、有象無象にガンジガラメにされて、本質を喪失したジャーナリズムが、メディアが、強制的に、変革を強いられるわけです。これが楽しくないわけがない。

ネットが世界的に広がったのは95年。それから10年を経た今、ようやく、漠然としていた「ネットの将来像」が見えて参りました。というわけで、これから先の10年、それが実現するか否か、我々はちょうどその過渡期を生きるわけでして。大変楽しい時代になりました。
そういうことを実感させてくれる本です。もう一度申します。是非、ご一読下さい。

…もう読んだわ(゚Д゚)ゴルァ!という方々は正直スマンカッタ。

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